総領事挨拶
令和7年1月6日
青山総領事新年挨拶(2025年1月)

新年、明けましておめでとうございます。私は総領事としてメキシコに着任してまだ2ヶ月、ここレオンで初めて新年を迎え、気持ちを新たにしているところです。
今年は、第二次世界大戦が終結して80周年を迎えます。日本はこの80年間、一貫して「平和を愛する国家」としての道を歩んできました。その歩みを振り返るとき、日本がメキシコをはじめたくさんの友好国から支援と協力を頂いたおかげで、戦後の復興と高度経済成長を成し遂げることができたことに気づきます。日本は、「法の支配」を基礎とした国際秩序と自由で開かれた世界経済体制の恩恵を大いに享受し、今日の繁栄を築いてきました。その戦後の国際秩序を揺るがす事態が、ここ数年続いていることは、ご存知のとおりです。日本政府は、「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序を維持し発展させていくために、今後も外交努力を続けてまいります。
さて、昨年後半には、日本では石破総理大臣が就任し、メキシコでは、シェインバウム大統領が就任しました。また、バヒオ地域でもグアナファト州とハリスコ州で新しい知事が就任して、それぞれ施政をスタートさせました。そして、米国でも間もなく第二次トランプ政権が発足いたします。日本とメキシコ、そして米国は、ともに太平洋に臨む国です。これらの国々が相互理解と協力を通じて、環太平洋地域の平和と繁栄に貢献していくことが大切であると思います。
私ども総領事館としては、バヒオ地域に進出する日系企業の皆様のご意見やご要望を賜りつつ、日本大使館はじめ日本側関係機関、そしてバヒオ地域の関係各州及び市政府と緊密に連携しながら、日本とメキシコが共に繁栄していける経済協力関係をさらに発展させていくために引き続き努力してまいります。また、日本とメキシコの友好関係は、市民レベルでの相互理解と友情が礎になっていると思います。当館が管轄する6州には約5000人の邦人の皆様が在住され、様々な分野で地元メキシコの人々と交流を持たれています。そのことを常に意識しながら、今後とも領事サービスを実施してまいります。
昨年11月、着任間もない頃、レオン市のグアナファト歴史美術館で開催されていた日本とメキシコの風景画を比較する展覧会に招かれ、そこで日系人画家、ルイス・ニシザワ画伯の作品と再会しました。日本の伝統絵画を思わせるタッチで描かれた広大なメキシコの大地が、私には大変印象的でした。メキシコには、芸術や文化だけでなく各界で活躍されている日系人の方々がたくさんおられます。当館は、日本とメキシコの間の相互理解と交流を促進していくために、バヒオ地域の日系人社会の様々な活動を引き続き支援してまいります。
日本とバヒオ地域、そして日本とメキシコの友好関係のますますの発展のため、総領事館一丸となって努力していく所存です。本年も変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。
令和7年(2025年)1月
在レオン総領事
青山健郎
在レオン総領事
青山健郎
青山総領事着任挨拶(2024年11月)

このたび、在レオン総領事として着任いたしました青山健郎(あおやまたけろう)です。
私は総領事として任命された時、愛読書の一つ、遠藤周作の『侍』を手に取り、改めて読んでみました。この小説の主人公は、支倉常長です。彼は、仙台藩主、伊達政宗に命ぜられたミッションを果たすためにメキシコ(当時はヌエバ・エスパーニャ)に派遣された使節団の団長でした。支倉常長率いる使節団に課されたミッションとは、日本とメキシコの間の直接の通商関係を開くことでした。1613年に日本を出発した使節団は船で太平洋を渡り、メキシコ(ヌエバ・エスパーニャ)を訪れ副王に謁見し、さらに大西洋を渡って欧州まで赴き、スペイン国王やローマ教皇に謁見しますが、結局、ミッションを果たせないまま、1620年に帰国します。当時の日本政府、徳川幕府はキリスト教を禁止し、鎖国への道を歩んでいました。
それから約400年後、「侍」、支倉常長が果たせなかったミッションは、2005年の日本メキシコ経済連携協定の発効という形で実現したと言えるでしょう。二国間の貿易量は、200億ドル規模となりました。また、メキシコ国内の日系企業の拠点数は約1500に達していますが、この数字は中南米地域で最大です。このうちの半分以上が総領事館の管轄する6州(グアナファト州、アグアスカリエンテス州、ハリスコ州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州及びサカテカス州)で活動しています。
私たち在レオン総領事館のミッションは、管轄する6州を中心に、日本企業の皆さま、在留邦人の皆さま、さらには日系人の皆さまの活動を支援させていただくことで、長い交流の歴史によって育まれてきた日本とメキシコの友好と協力の関係をいっそう発展させることです。
私は2015年から2018年まで在メキシコ大使館で経済担当参事官として勤めた経験がございますが、気持ちを新たに、皆さまからのご助言やご意見を賜りながら、総領事館一丸となってミッションを果たすべく努力していく考えです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
それから約400年後、「侍」、支倉常長が果たせなかったミッションは、2005年の日本メキシコ経済連携協定の発効という形で実現したと言えるでしょう。二国間の貿易量は、200億ドル規模となりました。また、メキシコ国内の日系企業の拠点数は約1500に達していますが、この数字は中南米地域で最大です。このうちの半分以上が総領事館の管轄する6州(グアナファト州、アグアスカリエンテス州、ハリスコ州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州及びサカテカス州)で活動しています。
私たち在レオン総領事館のミッションは、管轄する6州を中心に、日本企業の皆さま、在留邦人の皆さま、さらには日系人の皆さまの活動を支援させていただくことで、長い交流の歴史によって育まれてきた日本とメキシコの友好と協力の関係をいっそう発展させることです。
私は2015年から2018年まで在メキシコ大使館で経済担当参事官として勤めた経験がございますが、気持ちを新たに、皆さまからのご助言やご意見を賜りながら、総領事館一丸となってミッションを果たすべく努力していく考えです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和6年(2024年)11月
在レオン総領事
青山健郎