総領事挨拶

令和6年11月11日
青山総領事
このたび、在レオン総領事として着任いたしました青山健郎(あおやまたけろう)です。
 
私は総領事として任命された時、愛読書の一つ、遠藤周作の『侍』を手に取り、改めて読んでみました。この小説の主人公は、支倉常長です。彼は、仙台藩主、伊達政宗に命ぜられたミッションを果たすためにメキシコ(当時はヌエバ・エスパーニャ)に派遣された使節団の団長でした。支倉常長率いる使節団に課されたミッションとは、日本とメキシコの間の直接の通商関係を開くことでした。1613年に日本を出発した使節団は船で太平洋を渡り、メキシコ(ヌエバ・エスパーニャ)を訪れ副王に謁見し、さらに大西洋を渡って欧州まで赴き、スペイン国王やローマ教皇に謁見しますが、結局、ミッションを果たせないまま、1620年に帰国します。当時の日本政府、徳川幕府はキリスト教を禁止し、鎖国への道を歩んでいました。
 
それから約400年後、「侍」、支倉常長が果たせなかったミッションは、2005年の日本メキシコ経済連携協定の発効という形で実現したと言えるでしょう。二国間の貿易量は、200億ドル規模となりました。また、メキシコ国内の日系企業の拠点数は約1500に達していますが、この数字は中南米地域で最大です。このうちの半分以上が総領事館の管轄する6州(グアナファト州、アグアスカリエンテス州、ハリスコ州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州及びサカテカス州)で活動しています。
 
私たち在レオン総領事館のミッションは、管轄する6州を中心に、日本企業の皆さま、在留邦人の皆さま、さらには日系人の皆さまの活動を支援させていただくことで、長い交流の歴史によって育まれてきた日本とメキシコの友好と協力の関係をいっそう発展させることです。
 
私は2015年から2018年まで在メキシコ大使館で経済担当参事官として勤めた経験がございますが、気持ちを新たに、皆さまからのご助言やご意見を賜りながら、総領事館一丸となってミッションを果たすべく努力していく考えです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
令和6年(2024年)11月
在レオン総領事
青山健郎